S1-Ep6 ハレー彗星

海外ドラマ『COLD CASE』各話のレビューと、このドラマ最大の特徴である挿入歌について紹介していきます。舞台となった時代にアメリカでどんな音楽が流行っていたのか、僕も勉強していきたいと思います。また、同時に当時の日本の様子(世相や文化)も合わせて見てみます。


今回は未解決事件ではなく、既に解決済みの事件。このパターンは初めてかも。つまり今回は冤罪を扱ったエピソードです。舞台は1981年6月20日。アメリカではスペースシャトルの打ち上げが続き、新たなフロンティアに人々が心躍らせていた一方で、AIDSの恐怖が爆誕した年です。

ジェーンとベネットのいささか常軌を逸した恋愛ドラマを創り上げるために、ペイジは命を奪われ、その彼、アルは22年もの間、無実の罪で収監されてしまいました。彼女とよりを戻すために何でもすると言ったものの、さすがに人殺しちゃうのかー?と愕然となりますが、これ実際1995年にあった事件をベースにしてるんですって(◎_◎;)

彼氏のアルから、恋人持ちのベネットに色目を使っちゃったペイジも、個人的にどうやねんとは思うものの、恋愛に冒険的になっちゃうあの世代の勢いも分からんでもない。まあ、奥ゆかしい日本人にはなかなか無いエピソードだとは思うけど(そう信じたいw)。

取調室で、殺人事件さえ自分たちの運命のエピソードにしちゃってイチャつく2人に、ドン引きのリリーと、今回から登場の相棒・スコッティ(下写真)に激しく共感するエンディングでありました。

邦題が『ハレー彗星』になった理由は、ストーリーの中で語られるんですが、正直、今ひとつその例えばピンと来ないんですよね。向こうではポピュラーな言い回しなのかなー。(ちなみに実際にハレー彗星が見えたのは1986年2月のことなので、事件の5年後。次にハレー彗星が見れるのは、2061年7月28日だそうです・・・確実に見れないや・・・😢)。原題の『Love conquers all(愛はすべてを克服する)』ほうが、ストーリーに合致していて分かり易いです。

今回、過去のシーンはビデオカメラで撮ったように加工した映像が印象的で、調べてみると、1976年に携帯できる一般向けのビデオカメラが世に出たのだとか。もちろん、この時点では今のように再生装置は一体化しておらず、再生には別にビデオデッキが必要でした。今のような一体型(カムコーダー)になるのは、1982年だそうですから、この物語よりも後になりますね。

取調室での演出も面白かった(被写体は現在の姿だけど、カメラモニターの中は過去の姿になっている、とか)。

▲ペイジ・プラット役のサマー・グローは『ファイヤーフライ 宇宙大戦争』のリヴァー・タム役やドラマ『ターミネーター:サラ・コナー クロニクルズ』のキャメロン役が有名な女優さん。『ARROW』にもイザベル・ロチェフ役で出ていたりと、割と僕の見る海外ドラマで見かけます。

▲若い頃のジェーンを演じたレイシー・ビーマンもベッピンさんですが『Hawaii Five-0』のシーズン4にも出てるんですね。全然覚えがない。『デクスター』では数エピソードに出てるみたいですが観てないしなー。

▲ちなみに現在のジェーンを演じるサクソン・トレイナーは、1963年生まれで撮影時は40歳。ただの美魔女ではなく、数多くの作品に出演されており、演技監督としても有能なお方のようです。

原題「Love Conquers Al」〔初回放送日:2003年11月9日〕


1981 in MUSIC 

オープニングナンバーは、REOスピードワゴンの「Keep On Loving You」。I just wanna keep on lovin’ you(ただキミを愛し続けたいんだよ)と歌うラブソングです。ただし、彼女が浮気をしたことが発覚した後(笑) 「それでも僕はキミのことが好きなんだ」と歌ってるんですね。ドラマの中でいくと、ジェーンの立ち位置ということでしょうか・・・そう思って聴くとなんだか怖いです(;'∀')

楽曲は、1980年最も売れたロックアルバムとなった『Hi Infidelity』収録曲。に初めて登場しました。全10曲のうち4曲がシングルリリースされ、その一番最初にカットされた「Keep On Loving You」は翌年1981年3月21日、Billboard Hot 100で1位を獲得し、米国でミリオンセラーに。

事件を掘り起こすきっかけとなったタレ込みの回想シーンのバックに流れるのは、メン・アット・ワークの「Who Can It Be Now?(邦題:ノックは夜中に)」。この年『Business As Usual(邦題:ワーク・ソングス)』でメジャーデビューを果たした彼らの先行シングルで、発売と同時に本国オーストラリアでチャート2位まで駆け上り、翌年、全米のチャート1位まで獲得。一躍、スターダムに昇りつめました。1986年に解散するまでわずか5年間、まさに彼らこそ彗星のごとく、ですね(その後、再結成したりもしてますが)。

続いてはフォリナーの「Urgent」。この年にヒットしたアルバム『4』から最初ににシングルカットされた曲。Billboard Hot 100での最高位は4位。同じくビルボードのロックトラックチャートでも4週連続1位を達成。この曲のおかげで『4』の売上が大幅に伸びて、ゴールド&プラチナディスクに。また、RIAAからマルチプラチナディスク認定も受け、米国だけで600万枚以上売れたそうですよ。

お次はスティクスの「The Best of Times」。この年、トリプルプラチナムアルバムになった『Paradise Theater』からのシングルカット曲。カナダでブレイクし、Billboard Hot 100でも4週間で3位まで昇りつめました。ここまで聞き覚えのある曲が続きましたが、これは知らなかった。

キム・カーンズの「Bette Davis Eyes(ベティ・デイビスの瞳)」は、1975年にオリジナルが制作されて、この年、キム・カーンズがカバーとしてリリース。Billboard Hot 100では、1週間だけその座を明け渡してしまったものの、5週連続+4週連続トップに留まり続け、北欧、ヨーロッパ諸国、オーストラリア、南アフリカでも1位を記録し、1981年のビルボード年間チャート1位になったそうです。翌年の第24回グラミー賞では最優秀レコード賞と最優秀楽曲賞を受賞。物凄いヒットソングなのに、全然知らなかった(笑)

来ました、エア・サプライ!「Every Woman In The World」は、彼らの5枚目のアルバム『Lost in Love』からのシングルカットで、1980年10月にリリースされました。『Lost in Love』はタイトル曲の大ヒットで世界的に注目を浴びるようになった記念すべき一枚でもあります。「Every Woman In The World」はこの年のBillboard Hot 100で5位、Adult Contemporaryのチャートでは2位を記録しています。1980年代を象徴するようなバンドですね。個人的には「Making Love Out Of Nothing At All(渚の誓い)」が一番思い出に残ってる曲かな。

そしてエンディングに選ばれたのはビリー・ジョエルの「She's got a way」。

She's got a way about her(彼女は何かが違う)
I don't know what it is(うまく言えなないけど)
But I know that I can't live without her(俺は彼女無しじゃ生きていけない)

という歌詞が、劇中のベネットだけでなく、男女入れ替えてみると他の登場人物にもハマってみえます。誰かに夢中になる、ということにおいては立場が変わっても同じ部分がその底に流れているんだな、なんて思いますね・・・。

この曲、ビリーの1stアルバム『Cold Spring Harbor(ピアノの詩人)』(1971年)に収録されていた曲ですが当時は鳴かず飛ばず。その後、1982年にライブアルバムからシングルカットされたことで、全米23位を記録し、その後ベストアルバムにも収録されるほどの曲になったという、ちょっと変わったナンバーです。


1981 in JAPAN(昭和56年) 

12歳の頃ですなあ。『オレたちひょうきん族』や『Dr.スランプ アラレちゃん』『うる星やつら』のアニメが始まった年だそうなんで、まあ、もうほんとに幸せの絶頂の頃かもしれません(笑)

昭和アイドル全盛期が始まろうとしている頃、町には聖子ちゃんカットの女子が溢れ、田舎の僕には雑誌の中での出来事だった、原宿とかの竹の子族がホコ天でしのぎを削っていた時代。

日本はこちらの曲が大旋風を巻き起こしておりました。

今思うとなんでヒットしたのか良く分からん。こんなオッサンの曲が。当時、石原プロの専務に「こんなお経みたいな曲が売れるわけがない」と言われたそうですが、石原裕次郎の「いいんじゃないの」の一言でレコード化が決定(笑) でも、この大ヒットで東芝EMIは自社ビルが建ったというし、裕ちゃん凄いわー。とにかくすごい人気でしたね。

映画では東宝の『連合艦隊』がドラえもんや寅さんを抜いて興行1位に輝いております。Wikiによれば

日米開戦前年の日独伊三国軍事同盟の締結から始まり、真珠湾攻撃、ミッドウェー海戦、南太平洋海戦、ソロモン諸島攻防戦、山本五十六の戦死、レイテ沖海戦などを経て、沖縄水上特攻作戦に向かった戦艦大和が坊ノ岬沖海空戦で壮絶な最期を遂げるまでの、太平洋戦争における連合艦隊の崩壊とその陰影を、ダイジェストながらも編年史として描いた初めての作品

だそうで、ちょっと知らなかったけど、観たくなってきたぞ! YouTubeとかにも予告編とか無いので悔しいなあ・・・。プライムで観ちゃおうかな・・・。

最後に本日のリリーさま。

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