3時間目:アルビの魔女狩り

タツノコの名作、タイムボカンシリーズを振り返りつつ、無理矢理お勉強に繋げてしまおうというこの企画。今回早くも挫折しそうなテーマにぶちあたっております(笑) そもそも、ギャグアニメでこんなネタ取り上げるのがどうかしてるわ! 魔女裁判とか。


【本編の超あらすじ】第3話『恐怖の魔女狩りだペッチャ』

相も変わらず本当のことを話そうとしないペラ助。大好物のシュークリームの匂いに誘われて、マージョたちの手に落ちてしまうが、その時に口走った「魔女、火あぶりの形」という言葉にマージョが反応してしまい、ダイナモンド探索の行き先は17世紀の南フランス・アルビ地方に。ペラ助がマージョたちにさらわれたと睨んだ丹平たちは彼らの隠れ家に忍び込むものの、目の前でタイムトラベルされてしまう。現場に残された本を手掛かりに後を追って辿り着いたアルビで、今まさに火あぶりにされる寸前の少女・クリステンとその母を救う丹平たちは、村人たちを敵に回してしまう。その状況を利用して丹平たちを悪魔の手先に仕立て上げようとする三悪だったが、目論見は失敗。丹平たちの返り討ちにあい、自分たちが火あぶりで処刑されそうになるのだった。


■アルビと魔女狩りがつながらない!

当然のごとく、魔女狩りに関するマニアックな知識は皆無な僕なので、いろいろ調べてみましたよ。まずは劇中の舞台となっている、17世紀の南フランス・アルビ。

フランスといっても殆どスペインに近く、パリよりもバルセロナに近い南の街であります。ローマ帝国時代に出来た街で、タルヌ川流域の粘土を使った赤レンガの建物が多いため<赤い町>として有名なんだそうです。2010年には<アルビ司教都市>の名で世界遺産にも登録されております。

おおお。確かに美しい。この美しいアルビは12~13世紀頃、カトリック教会が異端とみなしていたカタリ派(アルビ派)の信者たちが、当時のローマ教皇の遣わしたアルビジョワ十字軍によって迫害を受けた場所でもあるのだとか。細かいところは整理できてませんが、アルビという街は魔女狩りが行われていた地というよりは、宗教対立を発端とした異端審問が頻繁に行われた地、という感じみたいですね。少なくとも"17世紀の魔女狩り"というワードで、アルビが検索ヒットすることは無かったです。ただ、異端審問の結果、火あぶりの刑などが行われていた歴史はあるようで、記録によると、審問が最も頻繁に行われたという1233年には、南フランスの異端審問官が数百人に火あぶりの刑を宣告していたとか(あまりにも酷いってことで1年でクビになったそうですが・・・そりゃそうだ)(;´Д`A


■そもそも魔女狩りは誰がやってたの?

その昔は「魔女狩りは12世紀以降、キリスト教会の主導によって行われており、その結果、数百万人が犠牲になった」的なことが言われていたようですが、後年の研究によると、それはどうも正確ではないようです。前述の異端審問と混同されていたフシがありますね。

現在では、近世に魔女狩りを主だって進めていたのは、教会やその土地の権力者たちではなく、民衆だったということになっているようです。劇中で村長さんと裁判官が登場してましたが、どうもそうではないと。ごく一般的な人々が、当時の社会不安(経済的な不安、天候不順による凶作や疫病の流行など)を魔女のせいにしていたんですね。いわゆるスケープゴート? その結果、魔女狩り(魔女裁判)というおぞましい慣習によりヨーロッパ全土で、推定4~6万人が処刑されたのだとか・・・(;'∀') 人間って怖い・・・。しかし科学の発達などに伴い、そういった迷信まがいの風習は急速に廃れていき、18世紀には終息したようです。現代社会でも時折、ネットを介して流行のように特定の人や集団を吊し上げる事件が起こりますが、ある意味、サイバーな魔女狩りと言ってもいいかもしれませんね・・・。もっと言うと、今でもアフリカの一部や中東、パプアニューギニアなんかではリアルに魔女狩り的な事件が起きている地域もあるんですよ。恐ろしい・・・。

▲よもや自分たちが魔女狩りのしんがりを務めることになるとは(笑) この時のマージョと村長のやりとりがバカバカしい。村長「名前は?」マージョ「私はマージョ!」村長「やっぱりそうか」。案外これやりたいだけだったんじゃないの?(;'∀')


■で、魔女ってほんとにいるの?

劇中では「歴史の本によればこの世に魔女なんかいないのよ」と淳子が言ってましたが、実際のところどうなんでしょう? 科学的見地でいけば、悪魔から授かった魔力を操るなんてのは非現実的。とはいうものの、太古から存在するシャーマン的な役割を担う人たちは、欧米でも日本でも現存しているわけなので、彼らがそうだと言えば"魔女はいる"ってことになるのかもしれません。実際、あちらでは"ウイッカ"なる新宗教的な活動をしている団体や、"ウイッチクラフト"なる文化を守る人たちもいるようですから。日本では、かわいらしい服を着た戦う魔女たちの文化が根付いてますけどね(笑)

こういうのって欧米の人は、どんな感じで見ておるんでしょうか?(;'∀')


劇中では無事にクリステンは救われ、村の人も魔女狩りを止めると言ってましたが、そもそも彼女がなぜ魔女の嫌疑を受けたのかとか、どんな裁判が行われたのかまでは触れてなくて、最後までそれが気になってしまいましたが、さすがにそこまで描写は出来んだろうなぁ。


■今週のメカ

さて今週の三悪メカですが・・・・鹿メカってネーミングから既にやる気を感じさせません。まだ3話目だぞー! 造形的には結構カッコよくて、なんならダンボールとかで作れちゃいそうなくらい完成度高いデザインだと思うんですが、もうちょっとなんとかならんかったのか(;´Д`A ``` 武装は口先からミサイルや火炎放射したり、ツノがグーン!と伸びたりします。実際、ミサイルや炎のエジキになる村人もいたりするので、三悪なかなか凶悪だったりします・・・。

そもそもこれ鹿なのかなあ・・・角の形状的にはトナカイっぽいんだけど。


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