海外ドラマ『COLD CASE』各話のレビューと、このドラマ最大の特徴である挿入歌について紹介していきます。舞台となった時代にアメリカでどんな音楽が流行っていたのか、僕も勉強していきたいと思います。また、同時に当時の日本の様子(世相や文化)も合わせて見てみます。
1990年2月3日、ケンジトン街の路地に放置されたワゴンの中で、教会のオルガン奏者ミッチェル・ベイズの遺体が発見される。当時は強盗か娼婦の仕業だとして幕引きされていた事件でしたが、徘徊中を保護された彼の妻、シャーロットが手にしてた事件を報じる当時の新聞記事の切れ端がリリーを呼び寄せるのでした。
信心深く敬虔であり続けることが、いかに難しいのか(だって人間だもの)を思い知らされると同時に、親を選べない子どもたちにとって、親の業はそのまま子どもたちの業となっていくのだということ、そして真面目に育てられた子どもたちほど、その業を受け止めねばならないと追い詰められていくことに気付かされます(-_-;)。息子・ライアンがアルツハイマーになった、母のことをどんなふうに想い、日々寄り添ってきたのかを思うと胸が痛いですね。
▼劇中、目を奪われるのはシャーロット役の女優、イザベラ・ホフマンの演技。1990年の敬虔なクリスチャンであろうとした頃の若き姿と、現在のアルツハイマーを病んだ姿と、その両方を見事なまでに演じています。釘付けです。顔の筋肉のわずかな動き、指先までを使った演技、心の動きを映し出すかのような瞳の演技。メイクだけではないリアリティを感じますよ。1986年のTVコメディドラマ『Dear John』でのレギュラー以外は、ほぼゲストキャストに徹されているようですが、彼女の他の出演ドラマも見てみたくなりました。
▼過酷な運命を負わされたベイズ家の2人の兄妹にも注目。兄役のジミ・シンプソンは個性的な顔立ちで、よく他のドラマのゲストキャストでも見かけますね。妹役はパッと見、ユマ・サーマンかと思いますが、デイジー・マッククラッキンという女優兼シンガソングライターなんだそうです(歌のほうはなんかちょっと・・・(-_-;))。2017年には誘拐事件に巻き込まれている模様(;'∀')! 無事だったようで何より・・・。
原題「Churchgoing People」〔初回放送日:2003年10月19日〕
1990 in MUSIC
オープニングのベイズ家の食卓シーンから、寂しげな夜の歓楽街を走るワゴンのシーンでかかるナンバーは、ジョージ・マイケルの大ヒットナンバー「Faith」。日本でもスバルのCMソングに起用されたりしてるので聴き覚えがある人も多いのでは? リリースは1987年のちょっと前なんですが、エピソードのテーマと、Faith(信頼、信用、信じること)をかけたチョイスなんでしょうかね。
次はイギリスのシンガー、リック・アストリーのデビュー曲「Never Gonna Give You Up」。こちらも日本でも知ってる人が多いかと。バリー・マニロウとかもカバーしてましたし。これも1987年7月のリリースで、その年の8月から5週連続全英1位、翌年3月に2週連続全米1位を記録しました。おぼこいルックスとちょっとギャップのある声色ですよね。MVも時代を感じさせます。
次の曲も1987年リリースで微妙にドラマの設定年代とズレてるんだけど・・・1990年という情報が間違ってるのかしら・・・(;'∀') アメリカのシンガー、ベリンダ・カーライルのアルバム『Heaven on Earth』に収録されているナンバー。ビルボード・ホット100で上のリック・アストリー君の「Never Gonna Give You Up」に続く2位を獲得しています。なんかこの頃の洋楽って親しみを感じるのが多いですね。なんでだろ?
エンディングのナンバーは、マドンナ♪ 90年代と言えばそうなるのかな。この「Live to Tell」は1986年3月にリリースされた、"彼女のキャリアにおける最高のバラード"とも言われる楽曲。この曲によって多くの人は、それまでマドンナに抱いていたイメージを変えざるを得なかったと聞きます。こういう曲もしっかり歌い上げられるんだ、という彼女の実力を見せつけた曲といえそうですね。
当時、MVに出ているショーン・ペンと出逢い結婚していたマドンナ。翌年末には早くも破綻をしてしまいますが、歌詞を見てみると、
男は1000もの嘘をつける事が 身に染みて分かったの
知ってしまったこの秘密を いつか話せる時までは生きていたい
それまではきっと私の中で燃え続けるでしょう
といったあたりは、ショーン・ペンへのメッセージなのかと思わせつつ、ドラマにおいては再び檻の中に収監されるシャーロットの心情と被ってきますね。ただもう彼女には話せる日は来ないのかもしれませんが・・・。
年代は事件当時より若干古いナンバーばかりのようですが、きちんとシナリオのイメージを大切にした楽曲チョイスになっているなと思いました。
1990 in JAPAN(平成2年)
1990年といえば、バブルが弾ける前の最後の年! 宮沢りえの『いつも誰かに恋してるッ』とか、今井美樹の『想い出にかわるまで』とかのドラマ見ながら、チノパン履いたり、Pコートやダウンジャケット羽織ってみたりしてませんでしたか?(笑) とはいえ本格的なトレンディドラマブームは、この翌年くらいからなんですね。
▼『想い出にかわるまで』って財津和夫とか出てたの? 屋内でウェットスーツ来てワイン持って何やってんだ?・・・謎(;'∀')
テレビでは他にも『渡る世間は鬼ばかり』や『ちびまる子ちゃん』もスタート。
新しい技術も身近なものになってきて、新語・流行語大賞の新語部門に「ファジィ」が選ばれたり、スーパーファミコンが発売されたりしています。車関係でいけばホンダがNSXを発表したり、鈴木亜久里が日本人初表彰台をゲットした、F1ファン、HONDAファンにとっては熱い年でもありました。
初めてといえば、TBSの秋山記者がソユーズに乗って日本人初の宇宙飛行をしたのもこの年ですね。2018年の元日に惜しくも閉園したテーマパーク「スペースワールド」の開業も1990年だったそうです。1回だけ行ったなあ・・・もうその頃は寂れてたけども。
音楽業界はバブル終焉とともに寒い時代がスタート。前年に終了した『ザ・ベストテン』に続いて、日テレの『歌のトップテン』、フジの『夜のヒットスタジオSUPER』も終了してしまい、ゴールデンタイムからライブ音楽番組が消えてしまった年でもあります。確かにもうその頃、見てなかったもんなぁ・・・なんでだったのやら。
個人的にはTM NETWORKがTMNになったのが懐かしい事件ですが、洋楽界隈だとローリング・ストーンズやポール・マッカートニーが初来日したのが大ニュースだった模様。結構、来日遅いんですね。知らなかった。
あ!思い出した、この年に公開した桑田佳祐が監督した映画『稲村ジェーン』! 当時勤めてた会社が支援していて、その年の入社式に桑田さんがビデオメッセージくれてたなあ。販促グッズも結構作ってて、映画のキービジュアルになってたダイハツミゼットのチョロQとか、イラストが入った名刺入れとか・・・どこ行っちゃったんだろう(笑) まあ、映画はよく分からない展開だったことと、主役がその後物議を醸す加勢大周(元祖)だったことだけ覚えています。
というわけで動画で「真夏の果実」紹介したかったけど、YouTubeではオリジナルがアップされてなさそうなので、オリコン3位だったこの曲あげときます! 赤いジャケットの渡瀬マキにも、赤いカウンタックにもドキドキしちゃうぜ!
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