S1-Ep10 ヒッチハイカー

『COLD CASE』シーズン1第10話は、10代から常に行動を共にしてきた2人の青年の物語。堅実な未来を目指して更生を果たそうとしたマットと、夢見がちで身の丈に合わない野心を抱き続けたブレインは、1997年、被害者と加害者という形でその繋がりを終えてしまいました。2人して同じ夢を無邪気に追いかけていた少年時代から、いち早く脱皮できたマットとその真逆をいったブレイン。誰しも子供の頃に常に一緒に居たような友達がいて、けれどその多くが中学、高校、大学と進むうちに姿を消していくという経験を持っているはず。目指す道や考え方が具体的になるにつれ、一緒に過ごすことは難しくなるわけで、それは決してネガティブなことじゃないんですよね。

ブレインのように、いつまでも同じだと信じ込むことのほうが、相手にとっても自分にとっても良くない結果を招きやすい気がします。それが"自立"というヤツなんじゃないでしょうか。一人の大人になり切れなかったブレインに哀しみを覚える一編でありました。

今回は同一犯だと思われた3件の事件のうちのひとつがコールドケースだった、という展開で、他の2件を追いかけていたサム・ローヤル刑事役にフレドリック・レーンが。

今回はステロタイプな刑事役でしたが、やっぱり僕にとっては『スーパーナチュラル 』でウインチェスター兄弟を悩ませる悪魔、アザゼルのイメージが強烈過ぎて「なんか絶対こいつ悪いヤツ」と条件反射的に思ってしまいますなぁ・・・すみません、フレドリックさん。

もう一人、スコッティの元上司を演じたマルコ・ロドリゲスも、いろんなドラマや映画でヒールを演じることの多い方。

今回は良き上司として情報提供もしてくれましたが、リリーのいないところで、彼女と組んでいることを憐れむような言動をスコッティに見せてたりしましたね。警察内でも容姿端麗な女性刑事は、そういう偏見で見られるのですかなぁ。

原題「The Hitchhiker」〔初回放送日:2003年12月21日〕


1997 in MUSIC

今回の事件は1997年6月8日に起こったという設定です。オープニングナンバーは、スマッシュマウスの「Walkin' On The Sun」。1994年にサンフランシスコで結成された4人組のロックバンドで、この曲は1997年7月のリリース。彼らの初メジャーシングルで、ビルボードのモダンロックトラックチャートで1位、ビルボードホット100エアプレイシングルチャートで2位を獲得した曲だそう。PVはなんだか不思議な仕上がり。どことなく60年代あたりの匂いを感じさせるファッション。意味は不明ですが、ギターのグレッグが過去に 「みんなどうして仲良くできないのか?」というメッセージを込めたものと語っているので、ある意味、今回のマットとブレインの有り様や、ロシア人商店主のアメリカ人への恐れや憤りの姿にかぶせてきているのかも。

次の曲はイントロの旋律が印象的な「Two Step」は、バージニア州シャーロッツビルで結成されたデイブ・マシューズ・バンドのアルバム『Crash』から、1997年1月にシングルカットされた一曲。アルバム自体は700万枚以上を売り上げ、グラミー賞を受賞したり、RIAAからプラチナ認定も受けたようですが大ヒットした!というような感じではなさそう。毎回アレンジばりばりのライブを見せてくれることで有名な模様。現在も継続活動中で、2018年時点で2000万枚のコンサートチケットをさばけるくらい固定ファンがいるみたいですね。

3曲目のナイン・インチ・ネイルズの「Closer」は、1994年5月30日にリリースされた曲で、ビルボードホット100では40位まで到達せずでしたが、モダンロックトラックチャートでは11 位、ホットメインストリームロックトラックチャート35位、ダンスミュージック/クラブパーティシングズチャートで29位などを獲得しています。何より、なんだか気味の悪いPVは、宗教、セクシュアリティ、動物虐待、政治、テロなどを想起させるビジュアルで、2006年に<史上最高の20のミュージックビデオ>に1位になってたりしてますけど(;´Д`A ``` 個人的には好きなジャンルではないですな・・・そもそもインダストリアルロックって何?

そしてエンディング曲は、またいい感じの僕好みのメロディライン。ブレシッド・ユニオン・オブ・ソウルズの「I Believe」。1995年リリースのデビューアルバム『Home』からのシングルカットで、ビルボードホット100での最高位は8位、アダルトコンテンポラリーチャートで5位、メインストリームトップ40で2位を得た、彼らの最も人気ある曲の1つだそうです。

もともとはボーカルのエリオット・スローンが、付き合っていたリサが彼女の親に強要されエリオットとの交際を諦めることになった出来事について歌った曲。なので特に曲の後半は、リサへの想いを伝える内容になっているのですが、

今日の僕らの行いが明日へと続いて、やがて末来を失うせるというのに 
お金がすべての今だから こんな状況が良しとされてしまうんだろう 

と歌う一説だけは、最後まで寡黙だったマットが殺される間際、その眼差しでブレインに伝えようとしていたメッセージのように思えます。

割と今回は、ランキング的にも曲的にも地味目なチョイスでしたね。僕がよう知らんだけかもしれませんけども(笑)


1997 in JAPAN(平成9年)

日本全国を渡辺淳一さんの『失楽園』旋風が吹き荒れた年なんですね、あったなあそんなの(笑) オッサン組には黒木瞳さんの艶シーンしか記憶に残っていませんが、不倫テーマの物語を、なんと当時は1年間に渡って日経新聞に連載されてたんですね。何を考えてたんだ、日経!(笑)

フジテレビがお台場に移転したり、大阪ドームや名古屋ドームなどの箱物完成ラッシュで、東京湾アクアラインや中国道の山陽側ルートが開通したり、ド派手な施設やインフラが誕生していく一方で、戦後初の証券会社の倒産を皮切りに(三洋証券)、都市銀行初となる北海道拓殖銀行の破綻や、あの山一證券の破綻など、経済に暗雲立ち込めていたのもこの年なんですね。いまだにあの野澤社長の「私らが悪いんであって、社員は悪くありませんから」は記憶に新しい。号泣会見の草分けなんじゃないの? ヤオハンの倒産もこの年。

そして思い出したくもないですが、神戸の酒鬼薔薇聖斗事件もこの年だったんですね・・・。知人に少年Aが書いた『絶歌 神戸連続児童殺傷事件』を預かったものの、なんだか未だに読む気になれません(;´Д`A ```

テレ東で『ポケットモンスター』が放送開始もそうなんだ。過剰なブームの中、てんかん騒動もありましたね。それ以来か、TVを見る時は明るい場所で離れてみましょう!みたいな定型文が出るようになったのは。エヴァのブームもこの年くらいですね。全然リアルタイムで乗れてませんでしたけど。

安室ちゃんの結婚もTUBEの前田くんの結婚も、聖子ちゃんの離婚もこの年。まあ、安室ちゃんも前田くんも結局離婚しちゃったなあ・・・。最大のヒットは「CAN YOU CELEBRATE?」。今となっては最後の"?"が意味深ですよね(笑) 音楽界では小室時代が急速に勢いを無くして、ミスチルやGRAYなんかが台頭してきた年。この辺りから僕も邦楽分からなくなってるなぁ・・・。

いろいろありますが、この年リリースで思い出深いのはこちら。会社の上司がカッコ良く歌ってて、しっかり持ち歌にさせてもらいました!

リリーは横顔のラインが綺麗!

0コメント

  • 1000 / 1000