8時間目:ジンギスカンとチンギス・カン

タツノコの名作、タイムボカンシリーズ第1作『タイムボカン』を振り返りつつ、無理矢理お勉強に繋げてしまおうというこの企画。今回の舞台は1200年代のモンゴル帝国。相変わらず、興味関心の無い世界史の中でもとりわけ中央アジア界隈のお話なので、チンギス・ハンという人物の謎とかに着目して軽ーくお勉強してみます。興味が湧いた人は自分で探求してね!(笑)


【本編の超あらすじ】第8話『大登場!ジンギスカンだペッチャ』 

ジンギスカンの映画を見たペラ助の「ジンギスカン料理を食べた気がする」という曖昧な記憶を頼りに、丹平たちは1200年前のモンゴルへ向かう(なんかここまで前回と似た文章だし(;´∀`))。辿り着いた一行は、大陸各地を征服中のジンギスカンとその部下たちに捕まり、バッカン族のモンドールに連れ去られた、彼の息子ドーモスカンの許嫁・キレーダを取り戻すことになってしまう。そして道案内として紹介されたのは、一足お先に来ていたマージョ一味。バッカン族の元にたどり着いた途端、攻撃をしかけてきたマージョたちだったが、丹平たちに返り討ちにあう。キレーダは無事に連れ戻されたものの、やはり木江田博士もダイナモンドもそこには無く、マージョはモンドールに「代わりに嫁になれ」と迫られるのであった。


■そもそも、どの名前が正しいのか?

今回の脚本はこれまで以上にハチャメチャ(笑) 放映時期を考えると仕方がないのかもしれませんが、ジンギスカンという名称はもはや一般的ではなく、現在ではチンギス・カンがポピュラーな呼び名になっているようですし、息子の名前がドーモスカンになっている時点でオフザケ全開。実際にチンギス・カンの息子たちは、ジョチ、チャガタイ、オゴデイ、トルイ、コルゲン、チャウル、ジョルチダイ、ウルジュカンでございます。ドーモスカンとか・・・腹痛い。

そもそも"カン"というのは、「可汗」と書いて、遊牧民国家の君主の称号なんだそうで"チンギス王"みたいなことなんですね。時々"チンギス・カーン"という表記も見かけますが、これは現代の研究結果によると正確ではないとか。チンギスの跡を継いでモンゴル帝国の王になったオゴデイの時代から、チンギス直系の子孫が王になると"カーン"と名乗るようになり、直系以外の王族の"カン"と区別が始まったとのことなので、チンギス現役時代はまだ"カン"だったんだとか。ややこしい。

なんにしても"カン"なのか"ハン"なのかについては、日本語で発音表記が難しいということもあるようですが、"カ"に近い音っぽいです。ちなみに元王朝の初代皇帝・クビライも"フビライ"という呼び方もあって、どうもカ行とハ行の発音の真ん中あたりの音になるんでしょうかね、あちらのへんでは。

ちなみに歴史的には、敵対する部族のバッカン族も、モンドールなる人物も、当然ながらキレーダなんて娘も存在は確認できず、元になったような名前も発見できなかったので、完全にタダの悪ノリだと思われます(笑)


■偉大なるチンギス・カンは何処に眠るのか?

歴史的な話に戻しますと、チンギスは当時、互いに争いに明け暮れていたモンゴルの遊牧民諸部族をわずか一代で統一して、中国、中央アジア、イラン、東ヨーロッパまでの広大な地域を次々に征服し、最終的には当時の世界人口の半数以上を統治する国家を創り上げた凄い男です。最終的には人類史上最大規模の国歌となるモンゴル帝国の始祖ですが、国家が解体した後も、遊牧民族にとって偉大な英雄であり続けています。特にモンゴルでは神格化されていたりしますが、なんと彼がどこに埋葬されているのかは、いまだに謎なんだそうです。

かのマルコ・ポーロの『東方見聞録』によると、彼の遺体を運ぶ隊列を見た人間は、誰であろうと有無を言わさず秘密保持のために殺され、埋葬地はその痕跡を消すために一千頭の馬を走らせて、辺りの地面を完全に踏み固めさせたんだとか。それほど前に自分の死を隠そうとしたのは、他国からの侵略を許さないためであったとか。

日本を含め世界各国から調査隊が調査に行っていますが、文化慣習的な理由やチンギスを神聖視する人々の声もあり、いまだ特定には至らず。まあ、確かに日本でいえば昔の天皇のようなポジショニングになっているのであれば、その難しさは容易に想像できますね・・・。


■チンギス・カンのキャラ設定

そんなこんなで神のごとき英雄と敬われているチンギスですが、実際はどんな人物だったのか。以前、同じように世界征服を試みたアレキサンダー大王の人となりが見えてくる話を取り上げましやが、チンギスの場合はどうも、それに類似した英雄らしいエピソードは見つからず、こんな話を発見しました。

ある日、チンギス・カンは重臣の一人であるボオルチュ・ノヤンに「男として最大の快楽は何か」と問いかけた。ノヤンは「春の日、逞しい馬に跨り、手に鷹を据えて野原に赴き、鷹が飛鳥に一撃を加えるのを見ることであります」と答えた。チンギスが他の将軍のボロウルにも同じことを問うと、ボロウルも同じことを答えた。するとチンギスは「違う」と言い、「男たる者の最大の快楽は敵を撃滅し、これをまっしぐらに駆逐し、その所有する財物を奪い、その親しい人々が嘆き悲しむのを眺め、その馬に跨り、その敵の妻と娘を犯すことにある」と答えた。(A・ドーソン『モンゴル帝国史』)Wikipediaより転載

・・・・お、恐ろしい(゚Д゚;) 極悪非道じゃないですか!

まあ、いろんなものの見方はあると思うので、断定はできませんが・・・。

それでふと思い出したのは、歌です。そう、歌。そのものズバリのDschinghis Khanというグループが歌う「ジンギスカン」という歌。DISCO世代のオッサンたちは殆ど知ってると思いますが、10年ほど前にもBerryz工房がカバーしたりしているみたいなので、もう少し若い世代も知ってるかも。

当時は訳詞を見て「こんなディスり要素満載の歌、大丈夫? モンゴルの人怒らない?」と思ってましたが、イメージ的には間違ってないってことですな・・・(;´∀`) そしてになにより、彼らがドイツのグループだっていうのが最大の衝撃だったりします。


■今週のメカ

今週の悪玉トリオのメカは馬メカ。こんなにデカいのに、誰もメカだと疑わないという設定もどうかと思います(笑) メカブトンを牽引する姿も可笑しいし、なんならチョロ坊が手綱を握ってるのもツッコミどころ。だって、馬メカとメカブトンをつないでるの、チョロ坊の持ってる手綱だけなんですよ! チョロ坊すげえ。本性を現した馬メカはメカブトンを足蹴にしてひっくり返すだけでなく、なんと戦闘時にはジェットスクランダーみたいな羽を展開して空を飛びます! 最後はメカブトンの角で腹を掻っ捌かれて墜落&爆破してしまいます。


最後になりますが、ペラ助が「食べたいペッチャ」と言うていたジンギスカン料理。日本では北海道を中心に、ヒツジ肉を鉄板で焼いて食うアレですが、その起源についても諸説ありまして、チンギス・カンが遠征中に兵士のために作らせた料理などと聴くこともありますが、実際にモンゴルにはあんな料理はないです。バイキング料理と同様、日本独特のカテゴリーですね。日本人ってそういう意味では凄いよね(;´・ω・)

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