S1-Ep3 猫

海外ドラマ『COLD CASE』各話のレビューと、このドラマ最大の特徴である挿入歌について紹介していきます。舞台となった時代にアメリカでどんな音楽が流行っていたのか、僕も勉強していきたいと思います。また、同時に当時の日本の様子(世相や文化)も合わせて見てみます。


このエピソードは、実際に1997年~98年、そして2001年にまたがってアメリカで12件に及ぶ住居侵入と強姦などを犯したトロイ・グレイブスの事件を下敷きにしています。ドラマの舞台も1998年に遡り、当時、大学生だったゲイル・チマヨが何者かによって殺害されるシーンからスタート。時が経ち、2003年に一通の不敵な犯行予告が届く。これを機にリリーたちが捜査を再開します。これから起こる犯罪を防ぐために、過去の捜査をやり直す。こういうアプローチもあるのだな、と感心させられるシナリオ。

今回は、当時事件を担当し、容疑者の一人(ゲイルの恋人)への過剰捜査によって接近禁止命令を出されたヴェラの過去が明かされます。リリーという女性刑事が関わることで、過去の被害者たちの口から新たな事実が浮かび上がってくる、という仕掛け。ヴェラ的にはちょっと癪でもあるでしょうが、イカつい男にも出来ないことはあるのです(笑)

結局、再び事件は起こってしまいましたが、今回の被害者と過去の被害者たちの共通点から一人の男が浮かびあがり、リリーたちは彼を追い詰めて自供させることに成功します。犯人は同居するシングルマザーの女性では満たされない欲望を、犯罪という形で充足させていたのでした。インスピレーションのベースとなったトロイ・グレイブスにもエイミーという配偶者がいたようです。

さて、被害者役の女性たちを演じる役者さんの中で気になった方が何人か。

▼ 1人目は、ブリー・ターナー♪ 『グリム』のフクスバウ、ロザリー役が印象深い人。彼女の顔立ちも好きなんですよねえ。成熟した女性の表情の中に、時折、可愛らしい瞬間がある。

▼もう一人は名前ググるまで気が付かなかったんですが、『CSI:マイアミ』で途中から筆跡鑑定のスペシャリスト、シンシア役で登場していたブルック・ブルーム。なんか雰囲気全然違う(;'∀')

原題「Our Boy Is Back」〔初回放送日:2003年10月12日〕


1998 in MUSIC

さて曲の方に参りましょう。オープニングでかかるナンバーは、アメリカのバンド、サード・アイ・ブラインドの「How's It Going to Be」。1997年11月、3枚目のシングルとしてリリースされ、ビルボード・ホット100では9位にチャートインした曲です。このテのメロディ大好きだなぁ。回想シーンで始まるようなドラマにはピッタリ。

続いてはクランベリーズの「When You're Gone」。彼らはアイルランドのバンドで、この曲は1996年11月のリリースですが、アメリカでの初演奏は2年前の秋だそうです。欧米各国でも人気を博し、2017年にはアコースティックバージョンもリリースされました。

エンディングで流れるのはザ・ウォールフラワーズの「Heroes」。これ1998年に製作されたハリウッド版『ゴジラ』の劇中歌として、David Bowieが1977年にリリースした曲をカバーしたやつなんですね! いろいろ調べてると面白い発見に出くわします。  

あいつらに勝つことは出来る、ずっと永遠に
英雄になれるんだ、たった一日だけ

という歌詞が、エンディングでゲイルの幻を見つめるヴェラの表情とオーバーラップします。


1998 in JAPAN(平成10年)

山一證券や日本長期信用銀行などの大手企業や銀行の倒産が相次ぎ、金融監督庁が誕生したこの年。年間の自殺者の数もついに3万人を超えた不遇の時代を迎えていた日本でございます。僕はといえば社会人12年目を迎え、中堅ディレクターとして気兼ねなく楽しくやってたような気が(笑)

郵便番号が今の7桁になり、サンライズエクスプレスが走り始め、四国と本州が橋でつながり、iMac登場のおかげでなんでもかんでもスケルトンブームが巻き起こり、任天堂のゲームボーイもカラー液晶に。そういやWindows98とか懐かしいよね。ドリキャスもこの年に誕生したんですなあ。

スポーツ界では、猪木が引退。長野オリンピックで元気を取り戻したり、初のワールドカップ参戦で外国勢の壁の高さに意気消沈したりしました。大相撲では若貴の初・兄弟横綱も誕生しとります。

和歌山毒物カレー事件なんてのもこの年だったんですね。林 眞須美のおかげで一躍、ミキハウスが脚光を浴びてしまう、なんてこともありました(;'∀') 

音楽界隈は、この年CD売り上げが絶頂期を迎え、総計で4億5717万枚売れたんだそうです。確かにCDやたら買ってましたね。まだダウンロードなんて黎明期で。ミリオンセラーのシングルが14作、アルバムが25作も生まれたんだとか。今では信じられない話です(;'∀') AKB商法なんてなかった時代ですから。

TKこと小室哲哉サウンドの人気に陰りが出る一方で、モー娘。がブレイクしたのがこの年。オリコンの上位をB'z、GLAY、Every Little Thing、サザン、L'Arc〜en〜Cielなど、バンド勢が占めているのも今となっては懐かしい。

この年の一番ヒットは、これでした。懐かしすぎて涙が出る・・・サラリーマンカラオケ三昧の日々がよみがえる・・・。

それでは今回はこれにて失礼。最後は、実験動物にしている猫のことを「役立たずだから」と言い放った男へ対して静かな怒りを見せるリリーの表情を。彼女、猫を飼っている設定なんですよね。後のエピソードでそれが明かされます。

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