すべて水の泡。

X-ファイル(S-1)Ep.02「ディープ・スロート<Deep Throat>」

第2話も引き続き宇宙人ネタ。というか、米軍はUFOを隠匿している系のネタです。この第2話までの流れで、『X-ファイル』の基本路線が提示されたという感じですね。タイトルになっている"ディープ・スロート"とは、ジェリー・ハーディンが演じる"謎の内部告発者"の名前。1972年にアメリカを揺るがしたウォーターゲート事件で、ワシントン・ポストへ情報をリークした人物につけられた名前が元ネタ。ちなみに、この名前はその年、大ヒットしたポルノ映画にちなんで同紙編集局次長が名付けたそうで・・・なんつーセンスでしょうか(笑) まあそれはともかく、こうした"謎の内部告発者"が、次々とモルダーの前に現れるのが、このドラマに欠かせないファクターになっていきますね。


謎の人はいつも背後から。

CSマンもそうでしたが、謎の人物はたいがい背後から登場しますな。今回の事件に首をつっこもうとするモルダーに警告を与えに来るディープ・スロートでしたが、逆にモルダーの探究心を煽ってしまいます。というか、それが狙いなんでしょう。実際、エピローグでも、モルダーの「地球外生命体は存在するのか?」という問いかけに「もう随分前からまぎれこんどるわい」と、モルダーに火をつけるセリフを残して立ち去ってくれます。


知人の家を破壊?

情報によれば、この冒頭に出てくるブダハズ大佐の家は、スタッフの知り合いの家だったらしいのですが、思いっきりドア枠壊してますけど(笑) まあ製作費でドア新調したんでしょうね。


ブダハズ、Before-After。

ブダハズって珍しい苗字ですが、どこ系の名前なんでしょうね。エリート空軍パイロットだったロバート・ブダハズ大佐がトラブルを起こして軍に拘束され、4カ月間行方不明に。彼が属するエレンズ空軍基地では過去にも似たような事例が複数起こっていたため、モルダーに目をつけられちゃっていたわけですが、彼らが捜査を始めた途端に、ひょっこり自宅に戻ってきたブダハズ。拘束された時は原因不明の湿疹だらけの痛々しいお姿でしたが、すっかりツルツルお肌になっての御帰還です。でも奥様のアニータからは「主人じゃない」と怯えられ、実際に本人も「覚えてないんだ!」と混乱する始末。あからさまに怪しさプンプンの状態です。


今週のゾクゾクシーン。

今回の話で一番ゾクゾクしたのが、ブダハズと同じように行方不明になって戻ってきた、ご近所のパイロット仲間、マクレネンが自分の頭の毛で毛針を作っているこのシーン。ヤバい。


スカリー様、怒る。

そしてモルダーが向かった先は、もちろん基地が見渡せる立入禁止エリア。今回、レンタカーからは缶スプレーは出てきませんでしたが、一眼レフを取り出したモルダー。「やっぱりお前は、UFOを見たくて来たのかいっ!」と恐ろしい剣幕で怒るスカリーに、悪びれもせず観察していると、未確認飛行物体出現。風圧でレンタカーのリアウィンドゥを粉々にされ跳び起きたスカリーを連れて、2人でUFO見物。しかし、この期に及んでもスカリーは懐疑主義。それにしてもレンタカーのリアウィンドゥ、その後直っているような・・・。


若かりしセス・グリーン。

12歳でかのウディ・アレンに才能を見いだされ、それ以降、コメディを中心に活躍したセス・グリーンが、基地に無断侵入を繰り返す若者・エミル役で登場。出世作の『オースティン・パワーズ』出演は、この4年後。今やアラフォーのセスも、この時はまだ20歳になるかならないか。下の写真は、ラリってる若者に、20ドルも出して買ったピンボケ写真を嬉しそうにみせびらかすモルダーです。


フィルム、ビローン。

当時のUFO界隈ではお馴染みになった全身黒ずくめの男たち"M.I.B"が登場。残念ながら、ウィル・スミスもトミー・リー・ジョーンズもいませんが、囲まれ、ド突かれ、せっかく撮影したUFO写真も台無しにされてしまうモルダー。がっかりする表情がたまりませんが、それよりなにより、こういうシーンはもうすっかり見ることができなくなりましたな。黄色いフィルムケースはコダックのかな?


いつも冷静、スカリー。

国家保安局を名乗る男たちにカツアゲされ「なんとしてでも国家が隠したい秘密があるんだ!」と息巻くお子様モルダーと「それがUFOとは限らない。軍の新兵器であれば機密にしたいのは当然」となだめるスカリーママ。興奮のあまり論点がズレてしまい「じゃあ!じゃあさ! 仮にそれが戦闘機だとしても、だからといって人の命を犠牲にしてもいいのか?」とわめくモルダーを「それは今私たちがどうこう言う問題じゃないわ」と一刀両断(笑) そりゃそうだ。


早くも第1種接近遭遇。

スカリーを出し抜いて、単身で基地に忍び込んだモルダー坊や。夜を迎えてすぐさま、かのJ・アレン・ハイネック博士の定義によるところの"第1種接近遭遇"を体験してしまいます。『未知との遭遇』をも凌ぐ急展開(笑) 地球外のものなのか、米軍が製造したものなのか、見た目だけでは判断できませんが、いずれにせよとてつもない性能の飛行物体。茫然と見送るモルダーは、基地のMPに捕えられ、おそらくはブダハスらと同じような記憶消去の措置を受けてしまいます。あー、勿体ない。途中で下の写真のようなシルエットも目撃するのですが、それもきっと彼の記憶からは消されたのでしょう。それにしても、このシルエット、シーズン10(『X-ファイル2016』)の冒頭に出てきたUFOにそっくり。


なぜ横に逃げないのか。

こちら捕まる直前のモルダーさんのお姿ですが、こういうシーンってよくありますよね。その度に「なんで横に逃げないのか」と思うわけですが、人間ってこういう状況になると真っ直ぐ逃げちゃうんでしょうか? こういう目にあったことがないので、わかりませんが・・・。


腑抜けてしまいました。

ドラマの中ではなにやら目薬みたいなものをさされるとこまでしかありませんでしたが、何をされたのか、まったくもって茫然自失、腑抜けのモルダー。状況が把握できないまま、スカリーに救われます。なにやってんだかなー・・・もう。

 

全ては無かったことに・・・。

頼みの綱だったブダハズ家に立ち寄ってみるものの、妻・アニータも何者かから警告を受けたのか、モルダーたちをシャットアウト。扉の向こうで「今度は誰だ!」とブダハズが叫んでいるので、きっとそうなのでしょう。全ての証拠を失ってしまったも同然の状況でも食い下がるモルダーに、スカリーが爆発。「もうたくさんだわ・・・」とつぶやいたスカリーは何を思ったのか。懐疑派であるスカリーにとっても、不可解な事が多すぎた今回の事件。一番ストレスが溜まっているのは、彼女のような気がするのは僕だけでしょうか?(笑)


今週の気になるキャスト。

今回、僕が選んだのはこの方。ブダハズ夫人、アニータを演じたガブリエル・ローズ。最近のTwitterを見ると、すっかり恰幅も良くなってしまわれましたが、クリス・カーターの『ミレニアム』の他、『ユーリカ』『ダークエンジェル』『FRINGE』などなど、僕の好きなドラマに良く登場されています。どことなくシガニー・ウィーバーにも似てると思いません?

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