このモヤモヤ感がいい。

長年続く趣味のひとつに海外ドラマ鑑賞ってやつがあります。こちらの記事は以前、海外ドラマのレビューブログをやってみたいと思って、実験的にWixで作成していたものです。結構パワーがかかったので、このままのスタイルで続けるかどうか自信はありませんが、ひとまず、ほぼそのまま移植UPします。


X-ファイル(S-1)Ep.01「序章<Pilot>」

思えばこのドラマに初めて遭遇したのは、まだレンタルビデオ屋さんにDVDが出回るか出回らないかの頃のこと。1994年にレンタル開始というから、もう20年以上も昔だ。シーズン10(日本では『X-ファイル2016』と呼称されてますが)リリースにあたって、もう一度、あの頃の『X-ファイル』を当時とは違う目線、今だからこそツッコめる目線で見てみようと思います。


薄気味悪い好青年。

まずは、スカリーと初めて対面するシーンのお肌ツヤツヤなフォックス・モルダー。最近、シーズン10を見たばかりのせいか、時の流れの残酷さをしみじみと感じますが(←お前もだ、お前も!)、フーバービルの地下にある、怪しげな写真が貼りまくられた異様な空間に、なんとも爽やかな笑顔。こんなギャップが平然と存在する世界、それが『X-ファイル』でしたね。それはそうと、日本語吹き替えでは「Spooky=変人」ということになっていますが、辞書とかで調べると「薄気味悪い」的なニュアンスのほうが正しいようですね。まあ、そりゃこんな仕事部屋に居りゃ、そうも言われるわなあ・・・。


ビバ!90年代

そんな"Spooky"モルダーの相棒を任命されたダナ・スカリー。彼女の登場するシーンは、今見ると、色んな意味で郷愁を感じます(笑) 彼女の服装もそうですが、オフィスにあるのはデッカイ箱型のパソコンモニターに、ガチャコンガチャコンいいそうな電話機。とてもデジタル化とは程遠い世界がそこにはあります。たった20年でこんなにも社会は変わってしまったのだなあ、とまたまたしみじみ。シリーズを通しての黒幕となるCSマンも、初回から登場。オフィスでプカプカ煙草をふかしても、文句を言われない時代。僕もこの時代は、自分の席で煙草をくゆらせて、時々原稿を焦がしたりしながら仕事をしていたもんです。この頃のパソコンモニターは、画面も筐体もヤニだらけでしたね。嗚呼、ノスタルジー!(笑) 

このフーバービルの地下での、2人の出逢いのシーンは、モルダーとスカリーのキャラクターがしっかりと描き出されていて、これから始まるドラマの中での2人のポジションがとても良く分かるようになっています。上の写真は、僕がスカリー(というかジリアン・アンダーソン)に魅せられてしまったシーン。それまでは、どちらかと言うとスタイルもいいわけでもなく、地味な印象の彼女だったのですが、オレゴンへ一緒に捜査に行こうと背中越しに告げるモルダーを見ながら、彼女が浮かべたこの笑みに、あっという間に虜にされました(笑)


乗り物ネタ。

まったく本編に関係ないですが、ビークル系に弱い僕。つい、こういうシーンにも目が留まってしまいます。これ2人がオレゴンに向かう際に乗る国内線旅客機ですが、いくらググってみてもどこの航空会社か解らず・・・尾翼の赤い矢印が印象的なんですが。誰かマニアな方、教えてください。


ヒマワリの種の秘密。

物語の序盤には良く出てくる、モルダーがヒマワリの種を食べるシーン。オレゴンの現場へ向かうレンタカーの中で初登場です。モルダーの好物という設定になっていますが、実はこれ製作総指揮を務めるクリス・カーターが好きだから、ということだそうで。好きでもないヒマワリの種を食い続けたデイヴィッド・ドゥカヴニーは大変でしたでしょうな。ヒマワリの種は食べ過ぎても鼻血ブーとかにはならないのでしょうか。


謎のスプレー。

現場へ急ぐ道中で、2人は不可解な現象に遭遇するのですが、その時にモルダーはおもむろにトランクから赤いスプレー缶を取り出して、道路にバッテン印を書きます。まあ、そもそも道路にラクガキするのもどうかと思いますが、レンタカーに常備されているわけでもなかろうこのスプレー。モルダーが常備しているのですかね。飛行機の機内持ち込みが可能だった時代かとは思いますが、あらためて見ると「お前はなんでそんなものを持ってるんだ」と思わず突っ込むシーンです。


カレンが美人な件。

さて、物語は前後しますが、今回、2人揃っての初捜査となる現場は、オレゴン州ベルフルール。同じ高校を卒業した同級生が、相次いで死亡する事件。その体に遺された斑点のような痕跡からは未知の有機化合物も検出されており、遂に4人目の犠牲者が出たというわけでモルダーの登板。ドラマのオープニングでは、4人目の犠牲者であるカレン・スウェンソンのアブダクト(誘拐)シーンがあるのですが、ちらっとしかお顔が拝めないカレン役の女優さんが、この子がスカリーでも良かったんじゃないの?と思うくらい美人さんなんですよ。どうでもいいですけど。


レイくん、変わり過ぎ。

そんなわけでベルフルールに着いた2人は、早速、過去の犠牲者の遺体を再検証するべく、3人目の犠牲者、レイ・ソムズ君の墓を掘り越します。すると中にあったのは、人間とは思えないチンチクリンな御遺体。とりあえず第1話の中でのベスト・グロテスクシーンじゃないでしょうか(笑) いったい宇宙人はどんな実験してたんでしょうかね。ここまで人体が変形しちゃうって凄い。スカリーには「チンパンジかオランウータンかも」とまで言われて、レイくん、可哀想です。


インプラントよりも目を引く。

そのレイ君の鼻腔から摘出された謎の金属チップ。どうやら宇宙人が埋め込んだものっぽいのですが、それ以上に僕の目を引いたのは左のカセットレコーダー(笑) いまやICにとって代わられてしまった遺物。でも最近また、磁気テープとか注目されてたりしますね。


迫真のビリー。

過去の被害者と同じ高校の卒業生が、精神病院に入院していることが判明し、2人は面会に出向きます。その時に最初にアップになる、ビリー・マイルズ君のこの表情。いや、ホントにヤバいです。一緒に事故にあったという友人(恋人?)のペギー・オデルも迫真の演技ですが、ビリーのこの無言の演技の前では霞みます。このビリー、随分後になって超元気になって再登場します(笑)


ヒャッホーなモルダー!

カレンが発見された森の現場を調べに行き、マイルズ保安官に追い返された帰り道。ふたたび不可解な現象に出会う2人。そこが、例の赤バッテンをつけた場所で、さらに約9分間の時間が経っていることを知ったモルダーは「誘拐されちゃったー!」とばかりに、豪雨の中で有頂天に(笑) 「そんなことあるわけない!」とキレまくるスカリーの気持ち、お察しします。"変人"モルダーの面目躍如。


今週のサービスショット。

アブダクト疑惑の夜、スカリーはバスルームで自分の腰にも斑点(というか腫瘍的な)があることに気付き、モルダーに診てもらうことに。結果的には「虫刺され」というオチでしたが、このシーン、当のジリアンは「このシーン、必要なのか?」と異議申し立てをしたらしいですな。クリスは「モルダーとスカリーがプラトニックな関係であることを印象付けるために必要」と説得したらしいけど、どう見てもオッサン向けのサービスショット。


謎の放火犯。

2人は、何者かによって、泊まっていたモーテルに放火され、レントゲン写真や捜査資料などいっさいがっさいを失ってしまうのですが、その時に現場付近をうろついていた人影がこちら。流れ的には医師のネムマンか、マイルズ保安官だと思われますが、物語の中では明らかにされず。お前は誰だったんだ!


可愛い子から鼻血!

放火現場で2人に声をかけてきたのは、レイ君までの3人を検視した医師ネムマンの娘、テレサ。ダイナーで話を聴いていると、不意に彼女の鼻からタラリと鼻血。地味だけど、ドキッとするシーンですね。僕も小さい頃はこんな感じで良く鼻血出してました・・・ってどうでもいい情報でしたな。


何故、ビリーとテレサは生還したのか。

結局、モルダーの推理通り(なんでその推理に至ったのかはよくわからないのだけど、ビリーの足の裏に、現場にあった灰が付着していたことから確定)、首謀者はビリー君だったわけですが、なぜだか彼とテレサは生還します。腰の斑点もなくなっていました。何故に? 宇宙人の実験が終了したということなのでしょうが、なぜこのタイミングで? モルダーたちが嗅ぎまわったから? その真相は解明されないまま、捜査は終了となります。ネムマン医師やマイルズ保安官のその後の処遇も不明。このモヤモヤ感がまさに『X-ファイル』という感じです(笑) まあ、パイロット版としては正しい攻め方だったのだろうと思います。


やっぱりこのシーン♪

そして第1話のエンディングを飾るこのシーン。これを語らずして『X-ファイル』は語れず、というくらいの場面ですよね。ちあみに、シーズン1の最終話も同じようなシーンで幕を閉じるわけですが「政府はどんだけ秘密を隠ぺいしてんだよ」って突っ込みたくなるほどの膨大な棚。ゾクゾクするシーンではありますが、それ以上に気になるのはCSマンの歩き方だったりします(笑)


もちろん、これもね♪

ペンタゴンの保管庫と同じくらい『X-ファイル』を象徴するビジュアルは、モルダーの部屋に飾られたこのポスター。劇中に何度となく出てくるこのポスター、「I WANT TO BELIEVE」の文言は変わらないものの、実は微妙にUFOの写真は変わっているというのも、後で知りました。


今週の気になるキャスト。

さて、本記事では毎回、劇中に登場したサブキャラクターの中から、気になる人を紹介していきたいなーと思っているわけですが、記念すべき1人目は、この方。ベルフルールの検視官、トゥルーイットを演じる、スティーブン・E・ミラーさん。ちょこちょこといろんな映画やドラマに出演されていますが、なんだか忘れられないお顔なんですよね。2008年の劇場版『The X Files:I Want to Believe』にも別の役で出演されてたりします。

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