FILE01-03:さそり男

【ゲストプロフィール】さそり男(ショッカー所属サソリ型改造人間)
出身:日本 身長:185cm 体重:94kg
別名”さそり人間”。本郷猛のバイクレースのライバルだった早瀬五郎が、自ら志願しサハラ砂漠に住むサソリの能力を移植されて改造人間となり、本郷猛抹殺を目的とする”M1号作戦”を指揮した。「ライダーシザース」で岩に叩きつけられて敗北。 

―『悪役たちの哀歌』第3回、今回は『仮面ライダー』第3話に登場されたさそり男さんにお越しいただきました。よろしくお願いします! 

さそり男(以下、さ)「シュシューッ!」 

―早速なんですけどね、早瀬さん。 

さ「お前、俺がせっかく怪人っぽく答えてんのに、そっちの名前で呼ぶのかよ」 

―ああ、すいません。なんかこっちの方が呼びやすくて。ダメですか? 

さ「別にいいけど、なんか落ち着かんな」 

―まあ、確かにその風貌で早瀬さんとか言われてもねー(笑) 

さ「お前が笑うなよ!」 

―ところで早瀬さん! 

さ「はい!」 

―この『悪役たちの哀歌』という企画についてはご存知ですか? 

さ「ああ、なんとなく聞いてるよ」 

―なら良かった。敗けちゃった理由とかについてはおいおい伺うとして、やっぱり一番気になるのは、自ら改造人間になることを志願されたっていうところなんですけど。 

さ「ん? そんなことが気になるのか?」 

―なりますね。なんせ仮面ライダー史上初の改造志願者ですよ? 蜘蛛男さんや蝙蝠男さんはどうだったか知らないですけど。 

さ「俺も知らんなあ」 

―そこまでして本郷猛に勝ちたかったということですか? 

さ「そうだな。長年競い合って、アイツにはレースで勝つことは難しいと分かったんだよ」 

―万年2位だったとか? 

さ「ああ、そうだよ!」 

―でもレースで勝てなかったからといって、なんでまた改造人間に・・・ 

さ「自暴自棄になってたんだよ、あの頃は」 

―やけっぱちってヤツですか。改造人間になってレースで勝つってわけじゃないんですよね? 

さ「さすがにそれは首領が許さないだろう。レースで勝ちました!とかシバかれるわ」 

―そうですよね・・・。それで本郷猛を抹殺するための”M1号作戦”ってことですね。 

さ「ということだな」 

―ちなみに”M1号”ってどういう意味なんですか? 

さ「? 考えたこともなかったな。首領が勝手につけた名前だし」 

―そういうの気にならないタイプなんですね。 

さ「細かいことは気にしないタイプだな」 

―M・・・MarderのMですかね・・・1号抹殺ってことで。 

さ「分からんが、それっぽい感じだな」

 ―それともMan MadeのMとか・・・ 

さ「お前、それは全然別の番組じゃねえかよ! どうでもいいから早くインタビューに戻れ!」 

―これは失礼しました。M1号作戦はいわゆる囮作戦でしたね。意図的に逃がした囚人をライダーがかくまうだろうという先読みで。 

さ「そうそう。あの伊藤という爺さんがショッカーショッカー騒ぐことで、本郷がきっと食い付くだろうと思ったわけだ」 

―本当に食い付いちゃいましたね。 

さ「本当にアイツは熱血単細胞だからな」 

―まあ、ルリ子さんがニュースを聞いて報告しなかったら気付いて無かったかもしれませんけど。 

さ「それもありうるな・・・」

 ―ラッキーでしたね。 

さ「ま、なんか知らんがこういう番組はラッキー要素多いけどな」 

―なんでやねんと突っ込みたくなるほどのラッキーが横行してますからね。その分、同じくらいアンラッキーも多いですが。 

さ「予定調和ってやつだよ」 

―赤裸々ですね・・・(;’∀’) で、まんまと引っかかった本郷が、伊藤さんを保護した館山シーサイドホテルに潜入したわけですが・・・ 

さ「ホテルの名前まで覚えてるのかよ」 

―あそこ、まだ営業してるみたいですよ。1泊1万円くらいから泊まれるっぽいです。 

さ「マジか! 久しぶりに行ってみようかな・・・って、そんなこたどうでもいいんだよ」 

―はいはい。失礼しました。本郷たちがあそこに潜伏してるのは、立花のおやっさんに聴いたんですね。 

さ「そのほうが手っ取り早いだろ。自分で探すより」 

―そりゃそうですけど、立花さんもガード緩いですね・・・それにルリ子さん一緒だったでしょ? 

さ「さすがに一人で行くと不自然だしな」 

―でもルリ子さん一緒だったわりに、怪人姿のままホテルに忍び込んでませんでした? 

さ「ん? そうだった?」 

―いや、ほら、この写真・・・ 

さ「・・・ルリ子がトイレ行ってる隙にちょっとね」 

―リスクを覚悟で怪人姿に戻って忍び込んでみたかったと? 

さ「スリルがね」 

―いや、ちょっと何言ってるのかわからないです。 

さ「雰囲気だよ!雰囲気! 本郷やばいぞー!って子どもがビビるだろ?」 

―まあ、そうかもしれませんけど、僕ならそんな危険犯さないです。ホテルの従業員とか他の客に見られたら計画おじゃんだもの。 

さ「真面目か!」 

―慎重なだけですよ! で、結局、早瀬さんの姿に戻って本郷とご対面と。本郷は普通に再会を喜んでましたね(笑) 

さ「俺の気も知らないで無邪気にな」 

―良いライバルだとか、親友だとか紹介されてましたもんね。 

さ「爽やかすぎるよ、アイツは。だから余計に腹が立つ」 

―ちょっとは嬉しいとか思わなかったんですか? 

さ「そ、そんなこと思うか! しばらく会ってない間のことなんか気にもかけてなかったしな」 

―あれ? 海外で修行してたとか言ってませんでした? 

さ「あんなの嘘に決まってるじゃねえか!」 

―その嘘もなんかツライですね・・・ 

さ「・・・うるせえよ」 

―あらら、すみません。なんかいらんとこ突いちゃいましたかね(汗) まあ、その後、本郷を伊藤さんたちと引き離して仕留めようとしましたが、やっぱ最初は戦闘員にやらせるんですね? 

さ「まあ、念のため、弱らせとこうかと思ってな」 

―久々にお色気攻撃もしたりして 

さ「蜘蛛男に”意外と有効”だって聞いてたしな」 

―女に弱い本郷猛。 

さ「そうそう!」 

―ルリ子さらっちゃえば絶対に追いかけてきますもんね。 

さ「そうそう!」 

―まあ、そこまでは予定通りなんですか? アジトに誘き出すとこまで 

さ「そうだよ。首領の前で毒さそり使って始末してやろうと思ってたんだよなぁ」 

―でも気になったんですけど、戦闘員たちも早瀬さんの時の姿知らなかったんですね 

さ「そこは俺もビックリしたよ。アジト帰ったら『お前は誰だ』とかマジで言われたから」 

―あそこは僕も心配になりましたよ。 

さ「まあ、それもあって早めに正体バラしちまったんだよな」 

―そうなんですか!? それでか! 「もうこのタイミングで?」とか思いましたもの。 

さ「焦っちゃダメなんだけどなあ。おかげでせっかく用意した毒さそりの罠も無駄になっちまった」

―ですよねー。 

さ「あそこで冷静になっとけば、わざわざ海辺まで追っかけなくても済んだのに」 

―確かに。ついでに崖から突き落としただけで満足したでしょ? 

さ「今、考えてもツメ甘かったな」 

―蜘蛛男さんも、それ教えてあげないと・・・。まあ、悪役の皆さん、結構そういうのありますけどね(笑) 

さ「慰めになってねえしな」 

―戦闘員の皆さんも砂に潜ったはいいけど、ライダーにすぐ見つけられて蹴り殺されてましたね・・・ 

さ「アイツのセンサーを侮ってたよ。ホントあれは無駄死にだった・・・申し訳ない」 

―あと戦いの最中、本郷が「元のお前に戻れ」って言ってましたね 

さ「まあ、あれは正直ちょっとグッときちゃったな」 

―そうなんですか? 

さ「アイツにあんなこと言われるとは思ってなかった」 

―人情一直線男ですからね。 

さ「だなー。まあ、でも戻れないから! 人間に戻してくれって言ったって首領が『いいよ』とか言うわけないしな」 

―ですねー。結局、新必殺技のライダーシザースでやられちゃいましたね。 

さ「うむー・・・」 

―そもそも、早瀬さん、頭のとっから溶解液噴射できるし、その左手も強力で電磁バサミになってるのに、全然使ってなかったし・・・ 

さ「そうなんだよ! まったく使ってなかった」 

―なんでですか? 

さ「・・・ま、やっぱり本郷に対してココロの隙が出来ちゃってたのかもな」 

―まだまだ人間の心が残ってたってことですかね? 

さ「認めたくはないけどなぁ・・・」 

―その分、あっさり早瀬さん倒しにかかった本郷のほうが非情ですね 

さ「また腹が立ってきたぞ!」 

―まあまあ。では、それそろ締めの時間なんで、お聞きしますけど、敗因はなんだったと思います?

さ「本郷への嫉妬心が薄れた、とかカッコいいこと言いたいとこだけど、やっぱり一番の失策は、戦闘員たちに、ちゃんと自分の人間体の顔を周知してなかったことだな」 

―確かにアジトに誘き出すまでは順調でしたもんね 

さ「後輩ヒールの諸君! 身内にはしっかり情報共有しとけよ!」 

―タメになるアドバイス、ありがとうございました! 

さ「シュシューッ!」 

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