我が家にあちこちに散らばっているBOOKSたち。コンビニで衝動買いしたジャンク本から、ちょっと奮発した重量級の写真集まで。捨てるに捨てられず、僕と一緒に引っ越しを共にしてきた愛すべきBOOKSたち。断捨離という名のもとに別れの儀式を行っております。
僕にとって"洋"のホラーキングがスティーブン・キングだとすれば、"和"のホラーキングは菊地秀行になるのかもしれません。厳密にはホラーというよりは伝奇アクションとでもいうのかもしれませんが、双璧を成す夢枕獏と比較すると、菊池先生の方がホラーテイストは濃厚ですよね。そして何より菊地秀行の物語には"耽美"があるわけです。その象徴的な存在が、秋せつらというキャラクターと、ドクター・メフィスト。二人が紡ぐ、魔界都市の物語は、菊池作品の中でも最高のメインディッシュであります。
そんな、耽美コンビのウケ担当(笑)、秋せつらのデビュー作がこの『魔界都市ブルース1(妖花の章)』です。1986年4月に祥伝社のNON NOVELから出版された<マン・サーチャー・シリーズ>の第1作目ですね。もう33年も昔ですか・・・。まだ10代だったじゃないか!
ソノラマ文庫の『魔界都市<新宿>』を起点に<Dシリーズ>や<トレジャーハンターシリーズ>にグイグイと引き込まれて、<魔界行シリーズ>から辿り着く秋せつらの物語。もともと中学校の図書館で、平井和正の<ウルフ・ガイ>シリーズに出会ってから、早くもそっち系の小説にドはまりしていた僕(今考えるとヤバい奴だったな)にとって、嫌いな要素が何ひとつない"秋せつら+新宿"の最強マッチング。それが<マン・サーチャー・シリーズ>でありました。
映画で行くところの『トワイライト・ゾーン』などのようなオムニバス作品として、さくっと楽しめるこのシリーズは菊地秀行ビギナーにはとてもお薦め。読んでいただければ、女性ファンが多いことも頷いていただけるかと。
30年間、菊地秀行のほぼ全著作と一緒に引っ越しを繰り返しているような男でしたが、2010年に地元に帰ってくる際に一度、泣く泣く手放しました。今、我が家の本棚にあるのは、数年前に思い立って大人買いした古本たち。Amazonでリストに入ったままのもありますが、まずは手元にあるものから断捨離読書です。・・・でも捨てたくないなあ・・・(笑)
キング作品は映像化情報などを掘り下げて紹介していますが、こっちはどんな切り口でレビューしようかな・・・と悩んでおりましたが、やはり"魔人"せつらと、彼に負けず劣らず魅力的な登場人物たちにスポットを当てて行きたいなと思います。(菊地先生の場合、B級映画ネタやウェポン系のネタも掘り下げられそうですが、そこまで詳しくないので深入りは止めます(;´Д`A ```)
(▼せつらといえば、やっぱり末弥 純氏の画が一番好き)
と、いうわけでレビューは次の記事から(笑)
0コメント