この10連休中にひとまず思いつくだけ、いろんなテーマで記事アップをしてみてやろうと企んでいる僕ですが、今回はプラモネタで。とはいっても最近、完成させたキットは無いので(;'∀')、よくある積んである未着手プラモの中から、ネタになりそうなものを紹介したいと思います。実際の完成品は、そこまで自慢するほどのモノではないので、まあおいおいと。一発目は、ガレージショップで手に入れた<MiG-15>のキットを紹介します。
同じ誕生日のあの人が最後に乗っていた。
ところで。僕が、あの全羅北道が生んだスーパー奇才・・・もとい天才ボーカリスト、キム・テヨン氏と同じ誕生日、同じイニシャルだというのは一部のマニアの間で有名な話ですが(笑)、実はこのワタクシ、他にも同じ誕生日の方がいます(そりゃそうだ)。
一人は昭和のアイドル<ピンク・レディー>のミー(未唯mie)さん(ちなみに翌日は松田聖子さんの誕生日ですな)。そして1934年の同日に生まれた人に、ユーリイ・アレクセーエヴィチ・ガガーリンさんがいらっしゃいます。そう、あの「地球は青かった」のセリフでお馴染みの、世界で初めて宇宙へ行って戻ってきた男であります。
ボストークでの有人宇宙飛行で一躍有名になった彼ですが、その7年ほど後、僕が生まれる約1年前に謎の航空機事故でひっそりとこの世を去っています。享年34歳。若い!(;'∀')
いまだに事故原因について論争があるようですが、当時、ガガーリンが乗っていたのがソビエトのジェット戦闘機<MiG-15>でした。少年時代に特撮映画などでよく見かけた、アメリカの<F-86Aセイバー>のライバルともいうべき機体でして、朝鮮戦争の撃墜率ではセイバーよりも優秀だったっぽいです(ちなみにガガーリンが最後に乗っていたのは練習用等に使われていた複座のタイプだったようです)。
イギリスからこっそり盗んだ技術。
昭和人の多くにとってMiG(ミグ)というと、1976年にベレンコ中尉が亡命するために乗ってきたMiG-25が有名かもしれませんが、MiG-15はそれよりも25年ほど前に誕生した古いジェット機です。まだロシアがバリバリのソビエトだった頃、まだジェット戦闘機を作り始めて間もない時代です。ミグという名前は、設計開発していた二人のエンジニア、ミコヤンさんとグレヴィチさんの頭文字から来ています。
そのミコヤンさん、イギリスのロールス・ロイスに招かれた時、ビリヤードで勝った褒美にそのエンジンの購入許可をもらっただけでなく、工場では履いていた靴の底で秘密の合金の切削クズを拾い集め持ち帰り、合金組成を分析して新たなエンジンを作ったというからタダモノではありません。スリリングな努力の結果、MiG-15は誕生しました。イギリスから手に入れた技術で、ソビエトがアメリカの戦闘機をバンバンと撃ち落としたなんて(笑)
キットのほうにも歴史あり。
まあ、そんな歴史のあるソビエトの戦闘機ですが、キットのほうも負けず劣らずです。ロシア語まったく読めないので、箱や説明書の目立つテキスト部分を、ググ翻訳にピコピコとソフトキーボードで打ってみましたが、たいした情報が読み取れず(;´Д`)
ロ・英併記されている説明書の表紙。下のほうの「CCCP」はロシア語による、ソビエト社会主義共和国連邦の略称。これが英語になると「USSR」になります。つまり、このキットもソビエト時代のものということですね。
ロ・英併記かと思いきや、組立て説明文はロシア語オンリー。
まあ、説明図だけでも組立てはできそうです。
ではどのくらい昔のキットなのか。これがなかなか現物からはうかがい知ることができず、あの手この手でネットに潜り込んでみたところ、ロシアの『レトロ・モデルズ』というサイトに同じパッケージの画像と情報を見つけました。それによれば、このキットを最初にリリースしたのはポーランドの<Ruch>というメーカー。しかしRuchは1971年に無くなってしまいます。この時代のポーランドは、自由化を急ぐあまり対外債務を抱え過ぎ、国内でも食品価格がインフレを起こし、あちこちで暴動が起きていた時代なんだとか。まあメーカーも潰れますわな・・・。
僕の手元にあるのは、Ruch倒産後、金型をレニングラードのNPO(?)<Vektor>社が手に入れて、1991年まで販売していたもののようです。1991年といえば、ソ連が解体された年。レニングラードという町も、この機に昔の名前を取り戻し、今はサンクトペテルブルクという町になっていますね。エルミタージュ美術館とか有名、かな。
おそらくこの細長いパッケージは、1970年代初頭に発売されたVektor初版のキットのようなので、少なくとも40年以上前のアイテムということになりますね。今回記事を発見したサイトで見ると、僕のキットには入っていなかった、クリア成型の展示台パーツや、赤星マークのデカールなどがあったことが分かりました。バッタ屋的なところで手に入れたキットですが、流れ流れていくうちに紛失してしまったのでしょう・・・。逆に、組立説明図には見当たらない謎のダイキャスト(金属製)パーツが入ってたりしますが(下写真左:たぶんなにか別のキットの主脚パーツ)。
箱のほうも、繊維感溢れる紙で出来ていて、今の味気ない厚紙箱とは違う魅力があります。匂いを嗅げば東欧あたりの草原の香りが・・・しないですけども。
旧・ソ連体制下のポーランドで生まれ、歴史の波に流されて、さまざまな人の手から手へと渡り歩いてきたたキットだと考えると、レアかレアじゃないかとか関係なく「このままそっと残しておこうかいな」とロマンチックになる僕なのであります。
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